1月1日のNHK「超体感 熊野古道 神秘の旅」をご覧になられた方も多数いらっしゃると思います
その中で、熊野古道の道の中で、唯一、自分の足で歩かず、舟で川を下って「熊野速玉大社」に参拝するという熊野古道のルートがあります。
この船で下るルート熊野川は、「川の参詣道」として世界遺産に登録されています。
これは、世界でも初めてのことなんですよ~ 🙂
実は、2011年の台風の被害が未だ残っていて、皆さんの支援が必要ってご存知ですか?
「川の参詣道 世界遺産・熊野川の川舟下りを続けていきたい」
とプロジェクトが発足していることをご存知ですか?
今回は、熊野古道の中の、「川の参詣道」の概要、プロジェクトについてご紹介します。
熊野古道が好きな方、熊野古道にご興味のある方は、是非ご協力お願いします
もくじ
川の参詣道とは
まずは、熊野古道の地図をご覧ください
(出典:川の参詣道 熊野川の魅力)本からコピーしたのでちょっと見づらくてすみません。
熊野三山の「熊野本宮大社」「熊野速玉大社」の場所を黄色で囲っています
わかりますか?
「熊野本宮大社」と「熊野速玉大社」は、熊野川で繋がっています
2004年7月7日、和歌山県・奈良県・三重県にまたがる「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産として登録されました。
その中には、
- 霊場「吉野・大峰」「熊野三山」「高野山」
- 参詣道「大峰奥崖道」「熊野参詣道」「高野山町石道」
特に霊場の熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)に至る熊野参詣道は、中辺路・小辺路・大辺路・伊勢路の各ルートがあります。
その中で、熊野三山をめぐるルートのうち、熊野本宮大社と新宮「熊野速玉大社」間は、川舟で上下することが一般的であったため、
熊野川が「熊野参詣道」として世界遺産に登録されました。
世界で唯一の「川の参詣道」です。
熊野川とは
熊野川は、和歌山県と三重県の県境に位置し、紀伊山地を源流として熊野灘まで流れる全長183kmの大河です。
流域では良質な木材が生産され、かつてはその木材を筏に組んで河口へと下りました。また、農作物や木炭なども熊野川を利用して運送され、人々の暮らしを支えてきました。
上皇・貴族が通った当時の熊野古道のルート
古来より老若男女、身分や貧富の差を問わずあらゆる人々を受け入れてきた
熊野三山(熊野速玉大社・熊野本宮大社・熊野那智大社)は、
平安時代から盛んに参詣されるようになりました。
熊野速玉大社・熊野本宮大社への参拝は、熊野川沿いに鎮座していることから、上流の熊野本宮大社から河口近くの熊野速玉大社までは、江戸時代にかけて川舟を利用して参詣されました。
熊野川は、熊野三山への重要な参詣道でした。
12世紀になり、皇族・貴族や多くの人々が、この熊野三山を巡拝するようになります。京都→大阪の熊野古道を経て、田辺から山中に入っていく熊野古道「中辺路」を通り、熊野本宮大社へ参拝していました。
熊野本宮大社に参拝後、大半が40km近い熊野川を船で下り、新宮に向っていたという歴史があります。
そして、
熊野速玉大社へ参拝後、熊野那智大社へ参拝し、また再び新宮の地に戻ってきて、熊野川を船で遡上するのが熊野詣の一般的なルートでした。
熊野川の参詣道の川舟下り
「熊野川舟下り」とは
2004年の世界遺産登録後、2005年秋から、和歌山県新宮市が、昔ながらの川舟下りを再現することになったそうです。
とっても人気で、日本だけでなく、世界中の観光客に喜ばれています。
「熊野川舟下り」
(出典:KUMANO TRAVEL)
「熊野川舟下り」は、熊野川のうち、道の駅「瀞峡街道熊野川」から熊野速玉大社が鎮座する河口付近、権現川原までの約16kmを90分かけて木船で下ります。
コース沿いには、熊野の神々や中世の熊野詣にまつわる奇岩などの独特の地形や、多くの滝があり、美しい景観を楽しむことができます。
毎年3月~11月の間、道の駅「瀞峡街道熊野川」下の川原から熊野速玉大社横の川原まで16kmを下る川舟が運航されます。
木船には船頭と語り部が同乗し、 ガイドしてもらえます。熊野川沿いに多く見られる奇岩や滝のいわれなどの話が聞けます。
予約→熊野川・川舟センター
川舟の予約について
川舟の川下りは、完全予約制です
電話での予約になります!
0735-44-0987
川舟下りは完全予約制の為乗船日の前日17:00までに電話での予約になります。
当日に舟乗り場に行っても、満席の場合は乗ることができません。必ず一度お問い合わせください。
●乗船料金(料金には消費税・損害賠償保険が含まれています。)
定期乗合便 |
大人 3,900円 ※4歳未満乗船不可 |
●団体割引(10名以上)1名 3,500円
※最少催行人数大人3名(3月~11月)/語り部付き(前日17:00までにご予約願います)
出船時刻表
定期乗合便 |
● 午前の部10:00 (9:30までに受付を済ませてください) |
【注意事項】
- 3月~11月の運航は最少催行人数3名より運航いたします。
- 乗船時はライフジャケット着用義務付ております。着用なしで乗船はお断りします。
- 雨天でも運航致しますので、雨具(カッパ)をご用意の上お越し下さい。
- 女性の方へ。川原を歩きますのでヒールは避けて歩くやすい履物でお越し下さい。
- 渇水、増水又は気象状況により直前においてでも中止する場合があります。
ご了承ください。
【14時に乗船する場合】
・熊野本宮大社からのアクセスはバスで!
熊野本宮大社13:20発バス→道の駅熊野川下車 13:52
川舟の詳細は⇒熊野川の川下り
「川の参詣道」の2019年プロジェクトとは
2011年に熊野川が被害を受けた紀伊半島大水害からの復興が未だ続いていて、木船を新たに製作する費用を捻出することが難しい状況ということで、今回プロジェクトが立ち上がっています
私が初めて熊野古道を歩いたのは、2013年
熊野古道も通行止め・迂回ルートなど、まだ多かったですし、那智の滝も復旧工事中でした。
当時の2013年でも、目を覆うような信じられない光景を見て自然の驚異を感じだものです。まだまだ熊野は復旧なんですよね。それだけ本当に、2011年の紀伊半島の大水害は、人々の想像を超える、甚大の被害があっています。
2005年の事業開始以降、多くのお客様にご乗船いただいておりましたが、2011年9月、台風12号による紀伊半島大水害が発生しました。
熊野川は氾濫し、私たちの事務所である川舟センターが全壊・流失し、私たちの仲間の船頭も犠牲となりました。そして、熊野川の景観や川の形状も大きく変わってしまいました。
ですが、平安時代の貴族から続く熊野川を船で下る体験をどうにか守っていきたいと、船頭、語り部、職員一同ですぐに動き出しました。様々な関係者の協力を得て、舟の清掃・修理、航路確保のための川作、川舟センターの移転などを行い、翌年3月に川下り事業を再開しました。
現在は、徐々に乗船客数も回復してきてはいるものの、未だ復興に予算がかかっています。
そのため、老朽化が目立つ木船を新たに製作する費用が捻出できない状況です。
最後に
熊野古道を2012年に歩いてから、熊野の自然に人々に魅了され、これまで、熊野古道・熊野三山・神社めぐりなど熊野の素晴らしさをこのブログで発信してきました。
熊野詣の「大動脈」であり歴史的に重要な役割を担ってきた「川の参詣道」をこれからも残していってほしい!多くの人に体験してほしい!熊野の素晴らしさを知ってほしい!
という思いで、紹介させて頂きました。
ご協力頂けましたら幸いです
是非、熊野古道・熊野三山・川の参詣道へいらしてください!
熊野速玉大社について
熊野三山巡りについて