こんにちは~
初めて熊野古道を歩いた体験記第5章になりました。
いよいよ「熊野古道・小辺路ルート」のクライマックス最後の峠越え「果無峠」越えです。高野山から歩いてきてあと1日で、熊野本宮大社に到着します
念願の熊野本宮大社への到着はどうなるのでしょうか?(^O^)
熊野本宮大社への道は、本当に遠いのです
みほの「熊野古道物語(体験記)」是非最初から読んでください!
第1章から読んだ方が話がわかりやすいです、まずどうぞ!
↓↓↓
もくじ
熊野古道小辺路4日目「十津川温泉~熊野本宮大社」
1人で熊野古道歩きが始まった
高野山から一緒に歩いてきたスペイン人(ダビとジョランダ)と別れ、この日から一人!
2人からはいろんな情報をもらっていた
1、日本最古の神社「玉置神社がすごいらしい」
いつか行けたら行ってみたいな~とちょっと思いました
2、熊野本宮大社に到着した後も、熊野古道は続いていて、「熊野那智大社」まで歩く方法もある→「小雲取越」「大雲取越」
地図を見せて教えてくれた。体力があったら、行ってみようかな・・・
3、彼らは、「十津川温泉 ホテル昴」に2泊し、その後、熊野本宮大社まで歩き、「旅館あづまや <和歌山県>」そして、バスで移動して「川湯温泉 富士屋」に泊まり、翌朝の熊野川舟下りで「熊野速玉大社」を予定
私達は、熊野速玉大社で再会を約束!
この時点で、私は「熊野本宮大社」から「熊野那智大社」を目指し歩こうと思っていたのでしょうね、、、再会の約束をしているのですから。
もう一度、熊野にいる間に、2人に会いたい!という気持ちが強かったのです。
いよいよ小辺路「十津川温泉」から果無集落へ
小辺路「十津川温泉~熊野本宮大社」
距離:15km
歩行時間:5時間半
所用時間:7時間30分
十津川温泉郷に泊まった翌日は、快晴
この写真は撮った時間が7:40
逆算すると、私は宿を何時に出発したのだろうか・・・7時?
すごく早い!
やる気満々だったことが伺えます。
清々しい空気と共に、難所の「果無峠」へ向かいます
自分の撮っている写真から、
歓びあふれ、嬉しく歩いている感じがしてます(私だけが思っているのかもしれないけど)
今後の展開を知らず、意気揚々と歩いています・・・私
初めての「十津川村」神秘の村に、心弾ませ、一歩一歩歩いていきます
小辺路の看板が出てきて、道も合っているし、ばっちり!
小辺路の「十津川村~果無峠」は、西国三十三観音巡礼の石仏が、熊野古道沿いにあるのも楽しみで、うきうきした気持ちで歩いていました
やっと、登り口?!
ぎょ!
見るからに急な坂道!
すごい坂道が始まった
だけど、自然の素晴らしさ、
緑の輝きに、癒され、嬉しく歩いていました
朝だったので、さらに植物達が生き生きと、輝いていた
感動の中、
結構しんどい坂道をはぁ~はぁ~言いながら、歩いて行きました
本当に急な登りの石畳
だいぶ、だいぶ、本当にかなり歩いたら、やっと眺望が素晴らしい場所に到着、
やっと、休憩
そのくらい、急だった坂道
そして、はぁはぁ言いながら登っていると、
遠くに民家が見えてきました
道標はこんなに低く、、、
見知らぬ人から声をかけられ、
急な坂道を1時間近く登ってきて、やっと果無集落に着いたので、写真を撮りながら、少し休憩しながら、景色にうっとりしていたら、、、
背後から
「小辺路の道は険しいから、一緒に歩きませんか?
友人と歩く予定にしていたのに、はぐれちゃったから。」
と声がした
振り返ると小柄な女性が立っていました
私は、「はい・・・・」
なんだか、わからないけど、何も考えずに咄嗟に返事をしていた
ここはそんなに険しいんだ~、
そんなら一緒に歩いた方がいいだろうな。
そんなかる~~~い気持ちで、一緒に歩くことになった
「今日はね、お祭りなんですよ~」
と聞き、
まぁ、とりあえず、一緒に歩くことにした
ちょうど、十津川村は石楠花(しゃくなげ)の季節!
とても美しい
しゃくなげは、標高の高い場所に生息する
ちょうど満開
ところどころに、石仏が現れ始めた
これぞ!「熊野古道・小辺路の果無じゃん!」と嬉しくなります
手を合わせ、
心が安らぎます
ひとつひとつの石仏は、西国三十三観音のひとつ、
お寺の名前が彫ってあります
女性の言うように、やはり険しい道のりなので、
おしゃべりはそんなにできない
一緒に歩くと言っても、
近くを歩いているって感じで、
お互いにもくもくと。
でも、一人ぼっちで歩くと、これは確かにきつかっただろうな~と思った。仲間がいると、頑張れる!だから、誘ってくれたんです。ありがたいです。
1人で、この坂道をもくもくと歩くと、、、まさに修行!それはそれでいいかもしれないけど、仲間がいるといるだけで楽しく感じる。
私は特に一人熊野古道の予定だったけど、高野山からずっとスペイン人と3人で一緒だったから、峠越えの過酷な小辺路も歩いてこれたのだから・・・(^_^)
また、ここに来て、最後の峠越えに最強の助っ人が登場したのかもしれない
歩いていると、次々と石仏に出会う
表情がすべて違う
お餅がお供えしてあります!
合掌
「天水田」という場所に着いた!
みんな休憩していて、、、私もなんだか、まぎれていて、飴ちゃんの配給を頂いた。
しばしの休憩
もう、女性も一行に追いついたので、一緒に歩くというのも、、、終わりなのかな?よくわからないので、そのままみなさんとペースを合わせて、歩くことにした。
そんなに、この集団をぐいぐいと追い抜いて、急いでいく旅でもないのだから・・・
お祭りはみんなで歩いて登っていきます
けっこうな荷物を担いでみんな歩いています
お地蔵様が私達を見守ってくれています
同じ苗字の「中山寺」はアップ!
石仏を見ながら、お祭り一行と共に歩いていくと、、、
やっと「観音堂」に到着
手を合わせ、拝ませて頂いた。
観音堂でお祭り
そろそろ、歩いて行こうかな~とあたりを見渡し、女性に頭を下げると、、、
「もうすぐ、お祭りの観音様にお経をあげるから、それまでいたら・・・」
そうか~~、
ここは観音様の道!
観音様にお祈りをするんだと思い、
まぁ、そう言ってくださるのだから、言われるように、しばらく待っていました。
今か今かと待っていますが、なかなか始まらない。
どうしようか、と思いながら、「お祭りの御神事までいます」と言った手前、急に立ち去ることもできないし、、、とずっと観音堂の前で立って待っていました。
お祭り集団に挨拶し、巡礼者達が通り過ぎていきます。
あら、私も歩くのですが…と思いながら、見送っていた
ようやく、観音経のお経が始まった。
手を合わせ、心を落ち着け、静寂な時間
ふ~~~やっと儀式が終わった
と、その瞬間に、
ぱっと、、、
ブルーシートが広げられた!!!
なになに?
何事?
何が始まるの?
とびっくりして。きょろきょろ辺りを見渡すと、、、
ブルーシートは宴会開始の合図!
お祭りで集まった村人たちが、観音経をあげていた真面目な顔から一変し、急に顔がほころび、にこやか、笑顔!みんな幸せいっぱい・・・笑っている
私は思わず、、、「たのしそ~~~」
と勝手に口から出てました。
横にいたおじさんが、「あんたも入っとけば」と言ってくれ、
「え、、、いいんですか~」
と調子いいわたし。
ブルーシートに座ってしまいました。
今思えば、なんということを。
あの時は、自然に座ってしまっていたんです。
あまりにも楽しそうで。つい。
少しのつもりが。
全く見知らぬ村の人のお祭りに、わいわい楽しそうだったから、参加してしまいました。
しばらくすると、カセットコンロと鍋が出てきました。
なになに?
何が始まるの?!
と見ていたら、
お神酒に燗をつけています!
十津川村の麓から、約2時間くらい歩いてきて、本格的な飲み会・・・いやいや「お祭りの宴会!」
こんな山の中で、カセットコンロでお酒をつくる?
びっくりしながら、見ていました。
お祭りは本格的!
今までの長い歴史が引き継がれてきた伝統!
手軽に簡単にすますんじゃない、一年に一度の集い。
大切な大切な、ずっと続いている村のお祭り
あとで、餅まきすると聞いていたそのお餅も数日前に、杵と臼でついた本当のお餅!
都会では考えらないようなこと。
私は目を丸くしながら、村の人たちの話を聞いていると、
「あなたもいっぱい(一杯)飲まんね!」とお神酒が入った湯呑が回ってきた。
え、、、というような顔を一瞬したら
「お神酒だから!」
そうか、それならと、
「はい、ありがとうございます」と。
頂いちゃったのです。
そして、
「ところで、あんたは、どこのお嫁さん?!」
なぬ~~~!!!
そりゃ~聞きますよね。
この質問で、腰抜かしそうでした
村の人しかいないお祭りに、なんで私がお神酒を頂いているのか?
「私は、ただの旅人です。熊野古道を歩いています。高野山から歩いてきて、熊野本宮大社に向っています。今日歩いていたら、あの女性から、一緒に歩こうと声をかけて頂いて、ここまで一緒にきました」
きっと、村の人、み~~んな不思議に思ったと思います。
「この人だれって?」
ふつう、熊野古道を歩いている人が、宴会に参加しないでしょ!
私も今もそう思います。
なんで、お祭りの宴会に座っちゃたんだろう
それくらい、村の人みんなが楽しそうで、ついつい・・・
もちろん、見ず知らず。
なのに、、、
よくわからないけど、とても楽しくて、みなさんとお話しして。
時間はあっという間に過ぎていく~~~、、、
そして、村の人が言いました
「あんた、もう今日は峠は越えられんよ~、果無峠は険しいから無理やぞ~~!」
私は、熊野古道を相変わらず、甘く考えているので、
「大丈夫ですよ。もうすぐしたら、歩いて行きます」
そんなやりとりが何回あったでしょうか。
1回じゃないですよ。
親切にも何度も聞いてくれたんですよ
お酒に飲まれてはないけど、
楽しさに飲まれたわたし。
ということで、ここで私の熊野古道「小辺路」歩き旅は、おわり。
宴会に参加し、終了。。。
とはなりませんが、
果無峠は、越えられず。
次回に持ち越しになりました
人生は選択!
村の人、みんなが不思議そうに、
「高野山から熊野古道を歩いてきて、ここで辞めてしまっていいの? 信じられんわ~、ふつうやったら歩くでしょうに~、最後まで歩きたいものじゃないか?」
「あんたの考えとうことは、わからんわ」
「そんな長く歩いてきて、宴会に参加して、ここで歩かんでいいんかい?!」
何度も何度も聞かれました。
私は、その前2011年にスペイン巡礼800kmを歩いていて、今までの私なら「何が何でも歩いてやる!絶対ゴールまで行ってやる」という気持ちがありました。「途中で辞めるなんてありえない!」
ですが、出会ったスペイン人、ヨーロッパ人たちをみていて、「絶対何が何でもというのはないな~~」「今これを選びたい!」ってことをその瞬間に選んだらいいんだって、変わったんです。
もっと楽に、好き!って方を、これがしたい!ってことをその瞬間に選んだらいい、と。
というのは、
スペイン巡礼で、ずっと長距離を歩いてきたのに、
「ちょっと足が痛くなったから、今日で終わりにするわ~」と突然、歩くのをやめ、翌日列車で帰ったスペイン人がいたんです。スペインだから近いというのはありますが、そんなもんなんです。わたしだったら、なんとかして、歩き切りたいって思うのに、、、そんなもん。
絶対、何が何でもって、、、しなくていいんだな。
例え、ゴールに行けなくても、次があるだろうし。
人生って、毎回毎回が選択!
瞬間瞬間が、選択!
それでいいのかもしれない。
敷かれたレールを必死に走るだけが人生じゃなくでいいんだ~
と私は思ったのです。
「それは間違っている!」という人もいるかもしれませんが、
私の中で、この時に、
「始めたことは絶対最後まで、何が何でも貫き通して頑張らなければならない」という考え方が消えたのです。
常識として思っていたことが消えた!
価値観が変わった!
なんでもありでいいんじゃない?!
自分で選択したらいい!
だから、十津川村でも、ぱ~っとブルーシートを広げた瞬間、「わぁ~楽しそう」って、そちらを選んでいたのです。頭で考えたら、歩いた方がいいですよね。せっかく、高野山から歩いてきているのに、完歩にならないじゃないですか。
でも、全然いいんですよ!
本人が良ければいい!
それだけ。
だから、村の人はみんな本当に不思議そう~~に私を見ていました、ははは(^O^)笑
今思い出しても、不思議な一件でした。
結局、果無峠を越えられなかったので、歩いてきた道を戻って帰りました。
村の人たちにとって、熊野古道を歩いているとても変な旅人だと思われている私は、みなさんにいろいろ質問をされながら、スペイン巡礼を800km歩いたことを話していると、
熊野古道の写真集のほかに、スペイン巡礼にまつわる写真集も見せて頂き、「熊野古道とスペイン巡礼」の繋がりは自然と地域に浸透していることに驚き、スペイン巡礼路を歩いた写真家さんの本まで見せて頂き、なんだかとてもご縁を感じていました。
つづく
これで熊野古道は終わりじゃありません!
ここからがまたドラマ・ドラマ!
熊野古道小辺路はまだまだつづく!
次回は「熊野古道体験記⑥」をお楽しみに(^O^)
熊野古道 小辺路の情報
距離とマップ
今回は、本人の意思で、果無峠越えはできず、次回にもちこし
実際に歩いたのは、、、1年後?2年後かな?
果無峠越え。
侮ることなかれ。
すごく険しかったです
熊野古道「小辺路」
十津川村~熊野本宮大社
15km
歩行時間:5時間半
所用時間:7時間半
果無峠は標高1114m
※果無峠を越えて、八木尾バス停に到着すると、その後車道を歩きます。三軒茶屋跡まで歩くと、熊野古道「中辺路」と合流し、熊野本宮大社を目指します
宿泊情報
十津川温泉郷
十津川温泉は源泉かけ流し、十津川温泉 ホテル昴がおすすめです。ホテルの近くから熊野古道「小辺路」のルートが始まります
他にも旅館、民宿はあります
熊野本宮大社周辺には3つの温泉郷があります!
疲れた身体を癒すなら温泉が一番!
熊野本宮大社前のバス停からバス移動になります。
・川湯温泉
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